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メキシコのタコス4種食べ比べ
メキシコ料理カルチャーガイド

メキシコのタコス4種食べ比べ:アル・パストール・カルニタス・ビリア・コチニータ・ピビル

一口に「タコス」と言っても、肉の種類・調理法・生まれた土地はさまざまです。レバノン移民の技法が根付いたアル・パストール、ミチョアカン発祥のカルニタス、ティファナ発の新顔ビリア、マヤの伝統を受け継ぐコチニータ・ピビル——4つのタコスを比べると、メキシコ料理の奥行きが見えてきます。

メキシコのタコスは、具材の肉によって調理法もルーツもまったく異なります。同じ「豚肉のタコス」でも、アル・パストールとカルニタス、コチニータ・ピビルでは技法も歴史的背景も別物です。

アル・パストールは20世紀前半、レバノンからの移民がメキシコシティに持ち込んだシャワルマ(垂直串焼き)の技法が、現地のチリとパイナップルに出会って生まれたフュージョン料理。一方コチニータ・ピビルは、スペイン人到来のはるか前からユカタン半島のマヤの人々が地面に掘った「ピブ」と呼ばれる穴釜で肉を蒸し焼きにしてきた伝統技法です。

カルニタスはミチョアカン州発祥で、本来は豚肉を丸ごとラードでコンフィのようにじっくり煮る料理。そしてビリア・タコス(ケサビリア)は2000年代にティファナの屋台で生まれた最も新しい顔で、チーズが伸びる断面がSNSでバズって世界的に広まりました。

4つの料理

違いのポイント

  • 調理法の系譜で見ると、コチニータ・ピビルの「穴釜蒸し焼き」が最も古く先住民マヤの伝統。カルニタスの「じっくり煮る」はスペイン統治時代のスタイルに近く、アル・パストールの「垂直串焼き」は20世紀の移民料理、ビリア・タコスの「チーズ焼き」は2000年代のSNS発という、時代の異なる4層になっている。
  • 味の方向性も対照的。アル・パストールはパイナップルの甘酸っぱさ、カルニタスはオレンジ果汁の柑橘香、ビリア・タコスはチリペーストの濃厚な辛み、コチニータ・ピビルはアチョーテとシトラスの複雑な香り——同じ「漬け込み」でも狙う味の方向性が違う。
  • 家庭での再現しやすさで言えば、カルニタスが最も簡単(スロークッカー任せ)。アル・パストールとコチニータ・ピビルは漬け込み時間が長く仕込みに計画性が必要。ビリア・タコスは工程は多いが仕上がりの満足感が高い。

よくある質問

このガイドで紹介したレシピ

タコス・アル・パストール
メキシコ料理

タコス・アル・パストール

メキシコシティで生まれた、豚肉とパイナップルの縦串焼きタコス。レバノン移民が持ち込んだシャワルマの技法がメキシコで独自進化した料理で、チリとスパイスに漬け込んだ豚肉の旨みとパイナップルの甘酸っぱさが絶妙に絡み合います。

255·中級
カルニタス(スロークッカーの豚肉ほろほろ煮)
メキシコ料理

カルニタス(スロークッカーの豚肉ほろほろ煮)

メキシコ・ミチョアカン州発祥の豚肉料理。スロークッカーでじっくり煮込んだ後にオーブンでカリッと仕上げる技法で、外はカリッと中はほろほろに仕上がります。タコスの具材の王様とも呼ばれ、スパイスとオレンジ果汁が豚肉に染み込んだ深い旨みが特徴です。

490·初級
ビリア・タコス(チーズが伸びるメキシコ風煮込みタコス)
メキシコ料理

ビリア・タコス(チーズが伸びるメキシコ風煮込みタコス)

牛肉をチリペーストでじっくり煮込み、コンソメ(煮込み汁)に浸したトルティーヤでチーズと一緒にカリッと焼き上げるメキシコ料理。2000年代にティファナの屋台で生まれ、赤く染まったチーズが伸びる断面がSNSで爆発的にバズった、今も勢いの衰えない定番メニューです。

210·中級
コチニータ・ピビル(ユカタン風アチョーテ豚の蒸し焼き)
メキシコ料理

コチニータ・ピビル(ユカタン風アチョーテ豚の蒸し焼き)

メキシコ・ユカタン半島の先住民マヤの伝統料理。アチョーテペーストとシトラスのマリネに漬けた豚肩肉をバナナの葉で包み、低温でじっくり焼き上げる。鮮やかな赤橙色と柑橘×スパイスの複雑な香りが圧巻。

220·中級